閑話 76リットルの水。

 
 じょそう部では、4リットルのお湯が入ったやかんを持って出動しています。
 4リットル。
 水だけで約4キログラムあります。
 これを持って雑草のところまで歩き、熱々をお見舞いしています。
 あの104日間にわたる第一次ハマスゲ抗争では、これを19回やりました。
 4リットル×19回。合計76リットル。
 約76キログラムです。
 
 76キログラム。なかなかの重さです。
 何度も運んでいると、ふと思います。
 「水って、重いな」と。
 ところが私たちは、普段その重さをほとんど感じません。
 蛇口をひねれば、水が出てくるからです。

 
 もし水道がなければ、飲み水も、料理の水も、お風呂の水も、自分で運ばなければなりません。
 水道は、そんな「水を運ぶ」という重労働を、私たちの暮らしから遠ざけてくれました。
 水を安全にして、管を通して、必要なところへ届ける。
 それが水道です。

 
 人口が増え、街が広がってきた時代に、水道管も施設も大きくなってきました。
 しかし、これからは本格的に人口が減少していきます。
 水を使う人も、水道を支える人も減っていく一方で、一度つくった水道管や施設を簡単に小さくすることはできません。
 これからは、今ある水道をどう維持し、どこを見直しながら次の世代につないでいくのか。
 そんなことを考える時代になっています。

 
 76キログラム。
 ハマスゲにお見舞いした水の重さです。
 でも、普段の私たちは、その水を自分で運ぶことなく使っています。
 蛇口をひねれば、水が出る。
 当たり前のように思えるこの暮らしも、長い時間をかけて作られてきた水道の仕組みによって支えられています。
 水って、重い。
 だからこそ、その重い水を、いつでも使える場所まで届けてくれる水道について、少しだけ考えてみる。
 そんなきっかけになればと思います。